注意事項:この規定は、メルセデス・ベンツ、Maybach、AMG、smartおよびSetraに適用されます。
警告
防錆不凍液、クーラントまたはクーラント添加剤を充足するという課題は、ひとつの構造部品と同じように重要です。下記のBeVoシートで言及されていないすべての製品は、MB承認されておらず、エンジン出力に多大な制限またはエンジン冷却システムに修理不可能な損傷を引き起こす可能性があります。
1. 使用される用語
防錆不凍液 (KFM):
「濃縮液」とも呼ばれます。凝固点を低くし沸点を高くするための、防錆および不凍液用の内燃エンジン用クーラントの成分です。項目3.4に従い、水と混ぜる必要があります。
クーラント (KM):
エンジンを冷却するための、濃縮液(あるいはKFM)と水の混合液です。
クーラント添加剤:
水と混ぜて特殊な使用方法に使用することのできる防錆剤。この混合液には凍結防止効果はありません!
MB承認:
クーラントまたは防錆不凍液を、メルセデス・ベンツブランドの車両/ユニットで使用するための承認コード。使用範囲はMB BeVoシート320.1および320.2に従ってください。点検済みの製品用コンテナには、インフォメーションとして「MB承認XXX.X」や「MB-Approval XXX.X」の表示があります。
2. 一覧、BeVoシート
下記のBeVoシートに列記されたKFMは、以下の重要な特性を保証します:
• 熱伝導の保証
• エンジン冷却システムの全構成部品の長時間の防錆/キャビテーション防止
• エンジン冷却システムの全構成部品の長時間の耐性
• 凍結防止の保証
• 沸点の上昇
• 微生物に対する耐性
• 効果的な気泡抑制
乗用車およびバン用の承認済みBeVoシート一覧(BeVoシート320.1を参照)
商用車およびバス用の承認済みBeVoシート一覧(BeVoシート320.2を参照)
以下の情報を必ず参照してください:
BeVo 325.xの製品はKFMです。これらは項目3.4に従って、使用前に水で混ぜる必要があります。
BeVo 326.xの製品はクーラント (KM) です。これらは、水と混ぜてはいけません。
BeVoシート325.7/326.7の製品は、他のBeVoシートに記載されている製品とは親和性がありません。
燃料電池車両は、冷却に特殊なクーラントを必要とします。燃料電池車両用クーラントは、F-CELLターミナルでのみ追加充填することができます。
3. 混合率
3.1. シート326.x
BeVo 326.xの製品はKMまたはすでに混合された物であり、水と混ぜてはいけません。使用の際はMB承認のほか、濃度 (50/50) を守るように注意してください( 項目5)。
3.2. シート325.x
シート325.xに挙げられているすべての濃縮液またはKFMは、必ず約50 Vol.%の水とともに使用します。この混合率は以下のために特に重要です:
• 凝固点
• 沸点
• 熱の放出
• 防錆材の割合
水質は項目3.4の必要条件を満たす必要があります。周辺温度がきわめて低い場合でも、55 Vol.%以上の KFMを使用します。55 Vol.% KFMは、約-45 °Cという、エチレングリコール水溶液の最大の凍結防止効果をもちます。KFMの割合がこれよりも高くなると、エンジンの凍結防止および放熱効果が低下し、修復できない損傷を引き起こす場合があります。クーラント内の防錆/不凍液が45 Vol.%以下、または55 Vol.%以上 の場合、混合率をすぐに修正する必要があります( 項目 5を参照)。
表1:防錆不凍液および水の目標濃度 | |||
シート番号 | 312.0 | 325.0/3/5/6/7 | |
混合率 | 濃縮液 (Vol.%) | 10 | 50 |
水 (Vol.%) | 90 | 50 | |
3.3. シート312.0
特殊な場合(商用車エンジン、凍結防止の必要のない場合、BeVoシート320.2を参照)、主として腐食防止添加剤であるクーラント添加剤を使用することができます。この製品は90 Vol.%の水と混ぜます。シート312.0に基づき、異なる製品との混合は許可されていません。
3.4. 水質
クーラントの調合には、できるかぎり軟水できれいな水を使用します。飲用水は多くの場合、そのための必要条件を満たしています。飲料水の水質に関する情報は、地域の給水施設あるいは管轄給水業者に照会します。
水質に関する情報がない場合、または適切な水がない場合は、蒸留水あるいは脱イオン水をクーラントに使用します。海水、汽水、塩水および産業用排水はこれに適していません。塩分は腐食を促進したり、好ましくない堆積物を形成することがあります。
クーラントの混合に使用する水の分析値は、表2の限界値内であること。
表2:水質 | |||
水質 | 分 | 最大 | |
アルカリ土類イオン | mmol/L | 2.7 | |
硬度 | °dH | 15 | |
塩化物 | mg/l | 80 | |
塩化物 + 硫酸塩 | mg/l | 160 | |
pH値 | - | 6.5 | 8.0 |
1°dH = 0.1783 mmol/l アルカリ土類イオン= 7.147 mg/l Ca2+ または 4.336 mg/l Mg2+
4. 成分
クーラントと防錆不凍液は、凍結防止成分としてエチレングリコールをベースに用いていますが、その他の成分が異なります。例えば防錆処理については、表3を参照してください。
表3:BeVoシートナンバおよびクーラントタイプ | ||||
クーラントシートナンバ | 防錆不凍液シート番号 | 防止剤 | 添加なし | |
無機 | 有機 | |||
326.0 | 325.0 | 珪素、硼素 | X | 亜硝酸塩、アミン、リン酸塩 |
326.3 | 325.3 | X | 亜硝酸塩、アミン、リン酸塩、ホウ酸塩、シリコン | |
326.5 | 325.5 | SI | X | 亜硝酸塩、アミン、リン酸塩、ホウ酸塩、2-エチルヘキサン酸 |
326.6 | 325.6 | SI | X | 亜硝酸塩、アミン、リン酸塩、ホウ酸塩、2-エチルヘキサン酸 |
326.7 | 325.7 | X | 亜硝酸塩、アミン、ホウ酸塩、シリコン | |
5. クーラントの点検
作動中にクーラントの腐食防止剤が消費され、場合によっては水の蒸発により混合率が変化します。そのため、支障のないエンジン作動のためには、クーラントを定期的にモニタすることが重要になります。
適切な機器を使用して、混合率を点検します。その際、表4に従って密度または屈折率を算定に使用することができます。混合率のデータは、各クーラントで表4の値からわずかに外れても構いません。
クーラント内の防錆/不凍液が45 Vol.%以下のみ、または55 Vol.%以上 の場合は、ただちに混合率を修正する必要があります。補充量の算出には、以下の算出ガイドを使用することができます。
表4:濃度/凍結防止/密度/屈折率(約) | ||||||||
濃度 | Vol.% | 20 | 25 | 30 | 35 | 40 | 45 | 50 |
凝固点 | °C | -9 | -12 | -16 | -20 | -25 | -32 | -37 |
密度 (20 °C) | g/cm3 | 1.029 | 1.037 | 1.045 | 1.052 | 1.060 | 1.067 | 1.073 |
屈折率 n20° | | 1.355 | 1.360 | 1.366 | 1.371 | 1.376 | 1.382 | 1.387 |
濃度不足の場合のクーラント補充量の算出(基準:50 Vol.%)
• クーラント量(総量)、リッタ
• 測定された濃度 Vol.%
算出式:
• (50 - 測定された濃度) * クーラント量/(100 - 測定された濃度) = 防錆不凍液補充量
計算例:
• クーラント量(総量) = 8リッタ
• 測定された濃度 = 36 Vol.%
• (50 % - 36 %) * 8 l/(100 % - 36 %) = 1.75 リッタ
この算出量を、通常は事前に排出しておきます。
6. クーラントの廃棄処分
ここでのクーラントは、生物学的に分解可能な物質が該当します。使用済みのクーラントを廃棄処分する際は、各国の法律または下水条例に従ってください。地域の担当水質管理局に問い合わせ、廃棄処分方法を確認することを推奨します。
参照文書
- bb0040p032001a あらかじめ規定されている防錆剤、不凍液(乗用車、バン) - 一覧
- bb0040p032002a あらかじめ規定されている防錆剤、不凍液(商用車) - 一覧