エマージェンシ・アラームの概要
エマージェンシ・アラーム機能はタクシー運転手のための保護装置です。エマージェンシ・アラームは、タクシー運転手が他人から脅されたと感じた場合に、タクシー運転手自身で作動させることができます。これと同時に、無線エマージェンシ・コールも作動させることができます。
エマージェンシ・アラームの機能には以下の部分機能があります:
• エマージェンシ・アラームの機能順序
• 無線エマージェンシ・コールの機能順序
• 故障メッセージ表示の機能順序
エマージェンシ・アラームの機能順序
エマージェンシ・アラームはリモコン・キー (A8/1) のパニック・アラーム・ボタンにより、あるいは運転席レッグ・ルームに見えないように取り付けられているエマージェンシ・アラーム「作動」ボタン (S62/6) により作動させることができます。
リモコン・キーのパニック・アラーム・ボタンを操作すると、これが無線シグナルを FM、AM、ZV、DAB およびキーレス・ゴー・アンテナ・アンプ (A2/18)、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット (N73) および車内 CAN (CAN B) を介して特装車マルチファンクション・コントロール・ユニット (N26/9) に送信し、同コントロール・ユニットがエマージェンシ・アラームを作動させます。マルチファンクション・コントロール・ユニットはエマージェンシ・アラーム「作動」ボタンのステータスを直接読み取り、それに基づきエマージェンシ・アラームを作動させます。
作動したエマージェンシ・アラームは、エマージェンシ・アラーム「消去」ボタン (S62/5) を操作することで終了します。マルチファンクション・コントロール・ユニットはエマージェンシ・アラーム「消去」ボタンのステータスを直接読み取り、エマージェンシ・アラームを終了します。
プログラミングに応じて、さらに無線エマージェンシ・コールを作動させることができます。
エマージェンシ・アラームは、以下のバリエーションでの出力が可能です:
• 静かなアラーム
• フル・アラーム
静かなアラーム
静かなアラームは、脅している人間がアラームに気づくのを避けるためのものです。
静かなアラームは、エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンを操作することで要求されます。マルチファンクション・コントロール・ユニットは、エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンのステータスを直接読み取り、ルーフ・サイン・ランプ (E14/4) (タクシー用ルーフ・サイン・コネクタ (コード 342) 装備) を周波数 2.5 Hz で制御します。
静かなアラームをリセットするには、エマージェンシ・アラーム「消去」ボタンを操作します。マルチファンクション・コントロール・ユニットはエマージェンシ・アラーム「消去」ボタンのステータスを直接読み取り、エマージェンシ・アラームを終了します。
フル・アラーム
フル・アラームの場合、静かなアラームの出力に加え、以下の機能が作動します:
• エクステリア・ランプ・コントロール (点滅)
• ルーム・ランプ・コントロール (静的)
• 音によるアラーム
フル・アラームは、エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンあるいはリモコン・キーのパニック・アラーム・ボタンを 3 秒以内に 2 回操作することにより要求されます。マルチファンクション・コントロール・ユニットは、エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンのステータスを直接読み取ります。
リモコン・キーのパニック・アラーム・ボタンを操作すると、これが無線シグナルを FM、AM、ZV、DAB およびキーレス・ゴー・アンテナ・アンプ、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニットおよび車内 CAN を介してマルチファンクション・コントロール・ユニットに送信します。
安全上の理由から、リモコン・キーのパニック・アラーム・ボタンにより作動されるフル・アラームは 30 秒後に自動的に繰り返されます。
マルチファンクション・コントロール・ユニットは受信したフル・アラーム出力要求を評価し、要求「エクステリア・ランプ・オン」、「ルーム・ランプ・オン」および「シグナル・ホーン・オン」を車内 CAN を介してフロント SAM コントロール・ユニット (N10/6) に送信します。
エクステリア・ランプ (点滅):
以下の機能は点滅制御されます:
• ハザード・ウォーニング・ランプ (4 個のターン・シグナル・ランプ)
• ロー・ビームおよびハイ・ビーム
インテリア・イルミネーション (静的):
インテリア・イルミネーションはオンになります。
音によるアラーム
フロント SAM コントロール・ユニットは、左ホーン (H2) および右ホーン (H2/1) をエンジン・ヒューズ・リレー・モジュール (K40/8) のホーン・リレー (K40/8kL) を介して周波数 1.6 Hz で制御します。
フル・アラームをリセットするには、エマージェンシ・アラーム「消去」ボタンを操作します。マルチファンクション・コントロール・ユニットはエマージェンシ・アラーム「消去」ボタンのステータスを直接読み取り、エマージェンシ・アラームを終了します。
ボディ側では無線エマージェンシ・コールもエマージェンシ・アラーム「消去」ボタンによりリセットされますが、無線システムによっては、無線エマージェンシ・コールを無線システムで作動解除することが必要な場合があります。
無線エマージェンシ・コールの機能順序
プログラミングに応じて、無線エマージェンシ・コールを個別またはエマージェンシ・アラームと一緒に作動させることができます。
無線エマージェンシ・コールは、以下によって始動します:
• エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンを 1 回操作する
• エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンを 3 秒以内に 2 回操作する
• リモコン・キーのパニック・アラーム・ボタンを 3 秒以内に 2 回操作する
マルチファンクション・コントロール・ユニットは、エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンのステータスを直接読み取り、これを評価します。
リモコン・キーのパニック・アラーム・ボタンを操作すると、これが無線シグナルを FM、AM、ZV、DAB およびキーレス・ゴー・アンテナ・アンプ、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニットおよび車内 CAN を介してマルチファンクション・コントロール・ユニットに送信します。
次に、マルチファンクション・コントロール・ユニットは無線機 (A49) (アクセサリ) または無線データ・システム無線機 (A49/5) (アクセサリ) を直接ケーブルを介して制御します。
これを受けて無線機または無線データ・システム無線機は、無線エマージェンシ・コールを業務無線ルーフ・アンテナ (A28/9) を介してタクシー・センタに送信します。
プログラミングに応じて、無線エマージェンシ・コールを「静的」に、または「パルス」として出力することができます。
「静的」出力では、無線エマージェンシ・コール作動時、無線エマージェンシ・コールがエマージェンシ・アラーム「消去」ボタンによってリセットされるまで、マルチファンクション・コントロール・ユニットの専用アウトプットがアースに接続されます。
「パルス」出力では、無線エマージェンシ・コール作動の場合、マルチファンクション・コントロール・ユニットの専用アウトプットが、パルスとパルスとの間に 1 秒間のポーズを挟んで、2 回アース接続 (1 秒間) に切り換えられます。
作動している無線エマージェンシ・コールは、エマージェンシ・アラーム「消去」ボタンを操作することによって終了します。しかし、無線機の無線エマージェンシ・コールをリセットするためには、多くの場合、無線機の再スタートが必要です。
故障メッセージ表示の機能順序
故障メッセージの表示は、インストルメント・クラスタ (A1) で行われます。
マルチファンクション・コントロール・ユニットは、発生したエラーおよび機能障害を検知し、メモリします。
以下のエラーのいずれかが発生すると、マルチファンクション・コントロール・ユニットはテキスト・メッセージ出力要求を車内 CAN、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニットおよびユーザ・インタフェース CAN (CAN HMI) を介してインストルメント・クラスタに送信します:
• マルチファンクション・コントロール・ユニットとインストルメント・クラスタ間のコミュニケーションの中断
• エマージェンシ・アラーム「作動」ボタンに接続されているケーブルの断線
• エマージェンシ・アラーム「消去」ボタンに接続されているケーブルの断線
• 故障した (「引っ掛かって動かない」) ボタンが検知された
これに加えて、マルチファンクション・コントロール・ユニットは、周期的にデータ・プロトコールを車内 CAN、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニットおよびユーザ・インタフェース CAN を介してインストルメント・クラスタに送信します。
ダイアグノシスが作動しているときにはエマージェンシ・アラームが作動解除されるので、ダイアグノシス・テスタによるダイアグノシスの間は、同様にインストルメント・クラスタにメッセージが表示されます。
参照文書
- gf8225p9890fg タクシー / レンタカーのシステム構成部品の一覧表