シフトメカニズムの機能前提条件の概要
• ターミナル 15 「オン」
• 内燃エンジンが作動、および/またはエレクトリックマシン (A79/1) オン
• ME コントロールユニット (N3/10)(ガソリンエンジンの場合)またはコモンレールシステムコントロールユニット (N3/9)(ディーゼルエンジンの場合)のエンジン回転数
• 車両速度のシグナル
• オートマチックトランスミッションが、リンプホームモード状態でない
• ドライブCAN (CAN C1) 経由の完全で正常なシグナル伝送
シフトメカニズムの概要
機能前提条件を点検するため、完全一体型トランスミッションコントロールユニット (Y3/8n4) は、ドライブCAN経由で以下のシグナルを読み取ります:
• ターミナル 15 「オン」をエレクトロニックイグニッションスイッチコントロールユニット (N73) からシャーシFlexRay (Flex E) およびドライブトレインコントロールユニット (N127) 経由で。
• 作動中の内燃エンジンをME コントロールユニットまたはコモンレールシステム コントロールユニットから。
• エンジン回転数をME コントロールユニットまたはコモンレールシステム コントロールユニットから。
• 車両速度(インストルメントクラスタ (A1) から、ユーザインタフェースCAN (CAN HMI)、エレクトロニックイグニッションスイッチコントロールユニット、シャーシFlexRayおよびドライブトレインコントロールユニット経由)
ME コントロールユニットまたはコモンレールシステム コントロールユニットは、ドライブCAN経由で完全一体型トランスミッションコントロールユニットにエンジンマネジメントのステータスを伝送します。
ME コントロールユニットまたはコモンレールシステム コントロールユニットはドライブCAN、ドライブトレインコントロールユニットおよびハイブリッドCAN (CAN L) 経由で、要求「エレクトリックマシントルクの低下」をパワーエレクトロニクスコントロールユニット (N129/1) に送信します。
パワーエレクトロニクスコントロールユニットは、エレクトリックマシンのステータスをハイブリッドCAN、ドライブトレインコントロールユニットおよびドライブCAN経由でME コントロールユニットまたはコモンレールシステム コントロールユニットに送信します。
エレクトロニックスタビリティプログラムコントロールユニット (N30/4) は、ドライブトレインスタンバイ状態のシグナルをシャーシFlexRay、ドライブトレインコントロールユニットおよびドライブCAN経由で、完全一体型トランスミッションコントロールユニットに伝送します。
完全一体型トランスミッションコントロールユニット (Y3/8) は、完全一体型トランスミッションコントロールユニットから出力される電気シグナルを、ハイドロリックシグナルに変換します。
ギアレンジ「R」、「N」、「D1」~「D9」、「P」は、DIRECT SELECTセレクタレバー (S16/13) の操作によりシフト可能です。
DIRECT SELECTセレクタレバーは、選択されたギアレンジ「P」、「R」、「N」、「D1」~「D9」のインフォメーションをステアリングコラムチューブモジュールコントロールユニット (N80) に伝送し、その後シグナルをシャーシFlexRayに伝送します。ここでシグナルはドライブトレインコントロールユニットによって検知され、ドライブCAN経由で完全一体型トランスミッションコントロールコントロールユニットに送信されます。
該当するギアレンジにシフトされます。
シフトされたギアレンジ「D1」~「D9」のシフトレンジは、インストルメントクラスタに表示されます。
シフトレンジは、前進ギアでは走行中に変更することができますが、エンジン回転数が許容範囲を超えて高いまたは低い場合は、完全一体型トランスミッションコントロールユニットがシフトできないようにロックします。
インストルメントクラスタのメッセージおよび表示
選択されたギア、ギアレンジ、または走行モードに関するインフォメーションは、完全一体型トランスミッションコントロールユニットからドライブCANに保存されます。ドライブトレインコントロールユニットはこれを受信し、シャーシFlexRay、エレクトロニックイグニッションスイッチおよびユーザインタフェースCAN経由で、インストルメントクラスタに伝送します。続いて、これに応じた表示が以下のシグナルによって制御されます:
マルチファンクションディスプレイ (A1p13)
• ギア表示、制御
• 走行モード表示、制御
以下の構成部品は、完全一体型トランスミッションコントロールユニットによって制御されます:
• パーキングロックリフトソレノイド (Y3/8l1)
• 潤滑圧力ソレノイド (Y3/8y12)
• クラッチコントロールソレノイドK81 (Y3/8y13)
• クラッチコントロールソレノイドK38 (Y3/8y14)
• クラッチコントロールソレノイドK27 (Y3/8y15)
• マルチディスクブレーキコントロールソレノイドB08 (Y3/8y16)
• マルチディスクブレーキコントロールソレノイドB05 (Y3/8y17)
• マルチディスクブレーキコントロールソレノイドB06 (Y3/8y18)
• ワーキングプレッシャソレノイド (Y3/8y19)
• トルクコンバータロックアップクラッチソレノイド (Y3/8y20)
• エンジン分離クラッチソレノイドK0 (Y3/8y21)
以下のシグナルは、完全一体型トランスミッションコントロールユニットによって処理されます:
• プレッシャセンサ (Y3/8b5)
• タービンホイールスピードセンサ (Y3/8n1)
• インプットスピードのスピードセンサ (Y3/8n2)
• アウトプットシャフトスピードセンサ (Y3/8n3)
• トランスミッションオイル温度センサ (Y3/8s2)
• パーキングロックポジションセンサ (Y3/8s4)
シフトの機能順序
機能順序を以下の項目に分けて説明します:
• シフトアップおよびシフトダウンの機能順序
• 1速から2速へのシフトの機能順序
シフトアップおよびシフトダウンの機能順序
ダイナミックセレクトスイッチ (N72/4s1) の操作によって運転者は走行モードを選択し、インストルメントクラスタおよびオーディオ/COMANDディスプレイ (A40/8) で操作フィードバックを受信します。ヘッドユニット (A26/17) は、オーディオ/COMAND ディスプレイの表示用シグナルを生成し、それをハイスピードビデオリンク (HSVL) 経由で送信します。
運転者は、基本シフトプログラムをセンタコンソール付近の左アンダコントロールパネル (N72/4) に位置する、ダイナミックセレクトスイッチによって実行できます。左アンダコントロールパネルは、このシグナルをLCP LIN (LIN A3)、オーディオ/COMAND 操作ユニット (A40/9)、テレマチックCAN (CAN A)、ヘッドユニット、ユーザインタフェースCAN、エレクトロニックイグニッションスイッチコントロールユニットおよびシャーシFlexRay経由でエレクトロニックスタビリティプログラムコントロールユニットに送信します。エレクトロニックスタビリティプログラムコントロールユニットは、選択された走行モードに関するインフォメーションを、シャーシFlexRayに伝送します。ドライブトレインコントロールユニットはこれらの情報を受信し、ドライブCANを介して完全一体型トランスミッションコントロールコントロールユニットに送信します。
以下の走行モードを使用できます:
• 「C」(コンフォート)
• 「E」(エコノミー)
• 「I」 (Individual)
• 「S」(スポーツ)
• 「S+」(スポーツプラス)
走行モードでは、ステアリングホイールギアシフトボタン(シフトダウン) (S110/1) またはステアリングホイールギアシフトボタン(シフトアップ) (S111/1) の操作により、運転者は以下の機能を選択することができます:
• 走行モードでは、ステアリングホイールギアシフトボタンの操作により、短時間Mプログラムが作動します。これによって運転者は事前にMプログラムを選択していなくても、ステアリングホイールギアシフトボタンによってギアを変えることができます。従来のギアリミット/最適ギアシフト機能は、ステアリングホイールギアシフトボタンの操作により廃止になりました。
• 短時間Mプログラムは一定の時間経過後、自動的に再びオフになります。このタイムインターバルは、スイッチを再操作するたびに新たに開始されます。さらに機能の作動は全負荷および横方向の加速度にしたがい、延長されます。
• 走行モード 「E」では、走行モード 「S」および「S+」と比べてシフトレンジがより短く(より低いエンジン回転数でシフト)、その結果、前進および後進走行時により低い駆動トルクを使用できます。これによりギアが最高速度まで回転しないため、できる限り経済的で快適な走行が可能になります。
リバースギアおよびニュートラルポジションは、DIRECT SELECTセレクタレバーからのみ、切り換えることができます。パーキングロック(ギアレンジ 「P」)は、DIRECT SELECTセレクタレバーのパーキングロック操作によって作動させます。
ステアリングホイールギアシフトボタン「シフトダウン」およびステアリングホイールギアシフトボタン「シフトアップ」のステータスは、完全一体型トランスミッションコントロールユニットにより、ステアリングホイールエレクトロニクス (N135)、ステアリングLIN (LIN E1)、ステアリングコラムチューブモジュール コントロールユニット、シャーシFlexRay、ドライブトレインコントロールユニットおよびドライブ CAN経由で読み取られます。
シフト 1から 2 への機能順序
1速 ギアでは、マルチディスクブレーキ B05、マルチディスクブレーキ B06および多板クラッチ K38がシフトされています。1速 から2速 へのシフトチェンジの際、マルチディスクブレーキB05は作動停止し、多板クラッチK81が作動します。
このシフト操作は、完全一体型トランスミッションコントロールユニットによって開始されます。その際に多板クラッチ K81は充填され、多板クラッチ K81内の圧力は絶えず上昇します。同時に、マルチディスクブレーキ B06内の圧力は低下します。
これは、スムーズに移行します。2 速のトルクに達したら、エンジン回転数が2 速のレベルに調整される必要があります(過上昇期)。
多板クラッチ K81の圧力が上昇することにより、また必要に応じて、ME コントロールユニットまたはコモンレールシステム コントロールユニットを介してトルク低下が実行されることにより、この回転数が調整されます。ハイブリッドドライブまたは純粋なエレクトリックオンリーモードのとき、さらにエレクトリックマシンのトルク減少要求がパワーエレクトロニクスコントロールユニットに送信されます。
アンダレブの(回転数が低すぎる)場合は強制シフトダウン、オーバレブの(回転数が高すぎる)場合は強制シフトアップが行われます。停車状態では自動的に1 速に入ります。1 速または2 速の両方で発進することができます。
短時間Mプログラム
短時間Mプログラムは、ステアリングホイールギアシフトボタンを操作すると作動する一時的なプログラムです。プラス方向 (+) への操作とマイナス方向 (-) への操作が許可されている場合、それぞれ操作するとシフトアップとシフトダウンが行われます。それ以外の場合は、現在のギアが維持されます。設定されたタイムウインドウにしたがい、この機能は再び自動的に作動解除されます。横方向の加速度が検知された場合、または車両の惰走モード時に最低速度を下回ると(例: 停止など)、作動時間が延長されることがあります。上記の条件のいずれも行われていない場合は、短時間Mプログラムの規定の残存時間はまだ有効のままです。この残存時間の終了後、再びアウトプットシフトプログラムに移行します。さらに、運転者に推奨されたシフト操作がインストルメントクラスタに表示されます。これは同様に内蔵されている推奨ギアシフトの構成要素です。運転者は、 ステアリングホイールギアシフトボタン(シフトアップ)をプラス (+) 方向に操作して保持する、ギアレンジを切り換える、または走行モード変更するなど特定の措置を取ると、短時間Mプログラムを自分で事前にキャンセルすることができます。これらの前提条件が満たされると、再びアウトプットシフトプログラムに切り換わります。
エンジン回転数が許容できないほど高くなる、または低くなるようなシフトに切り換わらないように設計されています。
参照文書
- gf2710p9992ahu オートマチックトランスミッション (AG) のシステム構成部品の一覧表