温度管理の機能前提条件概要
• ターミナル 87 (エンジン・マネージメント「オン」)
• エンジン作動
温度管理の概要
ME コントロール・ユニット (N3/10) により制御された温度管理により、エンジンの水温がコントロールされます。それにより、以下の長所が生じます :
• 速やかな作動温度到達
• 燃料節約
• 暖房快適性の改善
温度管理の制御は、以下のセンサおよびシグナルにしたがいます :
• 水温センサ (B11/4)、水温
• 温度センサ (インタークーラの後ろ) (B17/8)、ブースト・エア温度
• インテーク・マニホールド・プレッシャ・センサ (B28/15)、エンジン負荷
• アクセル・ペダル・センサ (B37)、アクセル・ペダルの操作
• クランクシャフト・スピード・センサ (B70) (回転方向検知機能付き)、エンジン回転数
• エアコン・コントロール・ユニット (N20) (エアコン (コード H06) 装備)、エアコン・ステータスを 車内 CAN (CAN I) およびヒューズ・リレー・モジュール (SRM) コントロール・ユニット (N50) 経由で
• エレクトロニック・スタビリティ・プログラム (ESP) コントロール・ユニット (N30/4)、ホイール・スピードおよび車両スピードを車内 CAN (CAN I) 経由で
温度管理の機能順序
温度管理を以下の項目に分けて説明します :
• 冷間始動段階およびアフタ・スタート段階の機能順序
• クーラント・サーモスタット制御の機能順序
• 過熱保護の機能順序
• ファン・コントロールの機能順序
冷間始動段階およびアフタ・スタート段階の機能順序
冷間始動段階およびアフタ・スタート段階でクーラント・ポンプがオフになると、クーラント・ポンプ・スイッチオーバ・バルブ (Y133) によりクーラントの循環が中断します。
このとき、ME コントロール・ユニット (N3/10) によって制御されたクーラント・ポンプ・スイッチオーバ・バルブ (Y133) が、トランスミッション・ハウジング上部のシリンダ・ヘッドに取り付けられているバキューム・アクチュエータにバキュームをかけます。これによりリンケージが操作され、このリンケージは、クーラント・パイプ内に取り付けられているボール・ロータリ・バルブを水流方向に対して閉ざし、それによってエンジンからの水流を遮断します。
冷却されないので、すばやく作動温度に達します。
クーラント・サーモスタット制御の機能順序
ボール・ロータリ・バルブの開閉は、バキュームによって行われます。
さらにクーラント・サーモスタット・ヒータ・エレメント (R48) の制御によって、クーラント・サーモスタットの開閉が無段階で行われます。
ME コントロール・ユニット (N3/10) は作動条件に応じてクーラント・サーモスタット・ヒータ・エレメント (R48) をグラウンド・シグナルを用いて制御します。
クーラント・サーモスタットには以下のポジションがあります :
• クローズ
• オープン開始 (ミックス・モード)
• オープン (クーラ・モード)
クローズ
以下の条件が満たされている場合、ボール・ロータリ・バルブは閉じています :
• クーラント・サーモスタット・ヒータ・エレメント (R48) は無通電状態
• 全負荷要求がない
このポジションでクーラントはエンジン回路および熱交換器内を流れ、熱交換器はシャットオフ・バルブによって遮断されます。ラジエタはクーラント循環内に組み込まれていません。これによりクーラントは急速に加熱されます。
オープン開始 (ミックス・モード)
ボール・ロータリ・バルブは、以下の条件が満たされている場合に、オープンを開始します :
• スタート後初めて水温がエンジン作動温度範囲に達した (全負荷要求がない場合)
• クーラント・サーモスタット・ヒータ・エレメント (R48) が通電される
クーラントが高い温度範囲にあるとき、またはクーラント・サーモスタット・ヒータ・エレメント (R48) の通電に応じて、伸長エレメントが膨張し始め、ボール・ロータリ・バルブを操作します。これによりラジエタとの接続が可能になります。ボール・ロータリ・バルブの開口断面積は、伸長エレメント温度および水温に応じて適合されます。これによりラジエタへのクーラント流量が変化します。
「開」 (冷房モード)
水温がエンジン作動温度より高い場合、ボール・ロータリ・バルブは完全に開き、クーラントは自由にラジエタ内を流れます。
水温がエンジン作動温度と等しく、全負荷要求がある場合、ボール・ロータリ・バルブは同様に伸長エレメントが加熱されることにより完全に開きます。
過熱保護の機能順序
過熱保護は、熱による過負荷の場合、エンジンの損傷と触媒の過熱による損傷を防止します。
過熱保護のために以下の措置が講じられます :
• 特性マップにしたがってイグニッション・タイミング調整を「遅角」方向にする、エンジン負荷およびエンジン回転数、水温、ならびにブースト・エア温度に応じて
• スロットル・バルブ・アクチュエータ (M16/6) の開口部の縮小、エンジン負荷およびエンジン回転数に応じて
• 低下した風量に応じて、フューエル・インジェクタ (Y76) のインジェクション・タイムを短縮する
• ボール・ロータリ・バルブを全開にするための、ME コントロール・ユニット (N3/10)によるクーラント・サーモスタット・ヒータ・エレメント (R48) の制御
水温が高すぎる場合、インストルメント・クラスタ (KI) コントロール・ユニット (A1) にウォーニング・メッセージが表示されます。そのために、ME コントロール・ユニット (N3/10) は該当するシグナルを車内 CAN (CAN I) 経由でインストルメント・クラスタ (KI) コントロール・ユニット (A1) に送信します。
ファン・コントロールの機能順序
ME コントロール・ユニット (N3/10) またはエアコン・コントロール・ユニット (N20) (エアコン (コード H06) 装備) は、ファン・コントロールの要求を車内 CAN (CAN I) 経由でヒューズ・リレー・モジュール (SRM) コントロール・ユニット (N50) に送信します。
ヒューズ・リレー・モジュール (SRM) コントロール・ユニット (N50) は、エンジン・ファン・モータ・リレー (N50k3) を制御し、このリレーがファン・モータ (M4/7) を制御します。制御不良の場合、ファン・モータ (M4/7)は最高回転数で回転します (ファンのエマージェンシ・オペレーション)。
ファン・アフタ・ランニング
ファン・モータ (M4/7) は、「イグニッション・オフ」のとき、水温またはエンジン・オイル温度が所定の最大値を上回ると、数分間アフタ・ランを行います。その際、バッテリ電圧が下がりすぎると、ファン・アフタ・ランニングは作動されません。
参照文書
- gf0770s9998d 直接噴射型ガソリン·インジェクションおよびイグニッション·システムのシステム構成部品の一覧