CDI インジェクション制御の機能前提条件の概要
• ターミナル 87 (エンジン・マネージメント「オン」)
• エンジン作動
CDI インジェクション・コントロールの概要
エンジンは、CDI コントロール・ユニット (N3/9) によって、必要なフューエル・ボリュームを割り当てられます。
ドライブ・トレイン・コントロール・ユニット (N127) はエンジン CAN (CAN C) 経由で CDI コントロール・ユニットからインフォメーション「エンジン作動」を受信します。
CDI コントロール・ユニットは、フューエル・ボリューム、インジェクション・タイムおよびフューエル・プレッシャを以下のセンサおよびシグナルに基づき、特性マップにしたがい算出します :
• ホット・フィルム・エア・マス・センサ (B2/5)、吸引されるエアマス用
• 吸気温度センサ (B2/5b1)
• 高圧フューエル・プレッシャ・センサ (B4/6)
• ブースト・エア・プレッシャ温度センサ (B4/32)
• カムシャフト・スピード・センサ (B6/1)
• 水温センサ (B11/4)
• プレッシャ・センサ (エア・クリーナの後) (B28/11)
• アクセル・ペダル・センサ (B37)、運転者エンジン負荷要求
• アクセル・ペダル・センサ、高速または低速アクセル・ペダル操作 (加速時)
• フューエル温度センサ (B50)
• クランクシャフト・スピード・センサ (B70)、エンジン回転数
• O2 センサ (触媒の前) (G3/2)
• パティキュレート・フィルタの前の温度センサ (B19/9)
• 温度センサ (ターボチャージャの前) (B19/11)
• DPF 差圧センサ (B28/8)、パティキュレート・フィルタの堆積状態
• CDI コントロール・ユニット内の大気圧センサ、高度補正のための大気圧
CDI インジェクション制御の機能順序
インジェクション制御を以下の項目に分けて説明します :
• レール・プレッシャ・コントロールの機能順序
• プレインジェクションの機能順序
• メイン・インジェクションの機能順序
• アフタ・インジェクションの機能順序
• 燃料噴射量修正の機能順序
レール・プレッシャ・コントロールの機能順序
ボリューム・コントロール・バルブ制御
フューエル・プレッシャはボリューム・コントロール・バルブ (Y94) によって制御されます。
ボリューム・コントロール・バルブ制御の利点は、ボリューム・コントロール・バルブが状況に応じて高圧ポンプに通過させた燃料のみを、高圧ポンプが圧縮する必要がある点にあります。それにより高圧ポンプの負担が軽減し、燃料消費量が低下します。
エンジン停止後、燃料高圧回路には圧力がかかりません。
ECO スタート・ストップ機能 (コード B03) 装備車の場合、自動エンジン・ストップ中は、燃料高圧回路内のフューエル・プレッシャが約 250 bar となります。
プレインジェクションの機能順序
プレインジェクションの目的は、燃焼音および排気ガス・エミッションを削減することです。本来のメイン・インジェクションの前に最大 2 回のプレインジェクションを行うことにより、燃焼をゆっくりと進行させることで、この目的が達成されます。
プレインジェクションのとき、フューエル・インジェクタ (Y76) の制御開始は CDI コントロール・ユニットによって作用点に応じて算出されます。さらに、周辺条件とエンジン温度、メイン・インジェクションの前回の制御開始と、電装品用バッテリ (G1) から伝送されるバッテリ電圧が考慮されます。
以下の状態のいずれかがある場合、プレインジェクションは CDI コントロール・ユニットによって制限されます :
• プレ・インジェクションのタイミングが経過したとき
• 算出されたプレ・インジェクション・ボリュームが少なすぎる場合
• 検出されたエンジン回転数が高すぎる場合
• メイン・インジェクション・ボリュームが少なすぎる場合
• フューエル・プレッシャが低すぎる場合
• エンジンが停止したとき
メイン・インジェクションの機能順序
メイン・インジェクションはプレインジェクションに連続して行われ、出力およびトルクを発生させます。メイン・インジェクションは、制御開始 (インジェクション・タイミング) と制御時間 (噴射時間) によって制御されます。
以下の状態のいずれかがある場合、メイン・インジェクションは CDI コントロール・ユニットによって制限されます :
• 燃料温度限界値を超えている場合
• エンジン回転数が 5,000 rpm 以上
• フューエル・プレッシャが低すぎる場合
• エンジン惰走時
• 例えば ESP® によって、ボリューム・コントロールに外部からの介入がある場合
• エンジンが停止したとき
アフタ・インジェクションの機能順序
アフタ・インジェクションは、排気ガス温度を上昇させ、酸化触媒内の排気ガス成分の変換プロセスとパティキュレート・フィルタ再燃焼を支援する役割があります。
そのために、パティキュレート・フィルタ差圧センサによって、パティキュレート・フィルタ (DPF) の堆積状態が検出されます。第 2 アフタ・インジェクションにより、排気ガス温度がさらに上昇し、再燃焼プロセスが開始されます。排気ガス中のカーボン粒子は後燃焼されます。
以下の状態のいずれかがある場合、アフタ・インジェクションは CDI コントロール・ユニットによって制限されます :
• アフタ・インジェクションのタイミングが経過したとき
• 検出されたエンジン回転数が高すぎる場合
• 算出されたアフタ・インジェクション・ボリュームが少なすぎる
• メイン・インジェクション・ボリュームが少なすぎる場合
• フューエル・プレッシャが低すぎる場合
• エンジンが停止したとき
その他の機能前提条件
燃料噴射量修正
• エンジン回転数約 1,200 rpm ~ 約 3,000 rpm (惰走またはノーマル走行)
• エンジン・オイル温度 80 °C以上
• フューエル温度 30 ~ 50 °C
燃料噴射量修正の機能順序
燃料噴射量修正は、2 つの部分領域に分かれます :
• ゼロ・ボリューム・キャリブレーション
• 噴射量平均値調整
ゼロ・ボリューム・キャリブレーション
フューエル・インジェクタ開閉時に摩擦と、それに伴う摩耗があるため、オペレーティング・タイム中に燃料噴射量が変化します。この燃料噴射量の変化は、制御時間の適合 (ゼロ・ボリューム・キャリブレーション) によって修正されます。
この制御時間は規定の燃料噴射量に対応します。新規制御時間と規定制御時間の差は、燃料噴射量修正のために利用されます。
ゼロ・ボリューム・キャリブレーションは、惰走時に噴射圧力がさまざまに規定される場合に行われます。この段階でフューエル・インジェクタは順にキャリブレーション値により制御され、その際それぞれのエンジン回転数が評価されます。それぞれのエンジン回転数がメモリされた基準値と異なる場合、キャリブレーション値は適合され、CDI コントロール・ユニットにメモリされます。
噴射量平均値調整
噴射量平均値のアダプションは、CDI コントロール・ユニットの認識機能であり、これによってフューエル・インジェクタおよびホット・フィルム・エア・マス・センサの許容誤差によって汚染物質値が増加しないように、EGR レシオが修正されます。
そのために、CDI コントロール・ユニットは以下のセンサの値を読み取ります :
• ホット・フィルム・エア・マス・センサ
• O2 センサ (触媒の前)
CDI コントロール・ユニットは、低圧 EGR アクチュエータ (Y27/7)、高圧 EGR アクチュエータ (Y27/8) およびスロットル・バルブ・アクチュエータ (M16/6) によって EGR 率を変更します。O2 センサ (触媒の前) によって残留酸素の含有量がモニタされます。
参照文書
- gf0716p9997orb コモン·レール·ディーゼル·インジェクション (CDI) システム構成部品の一覧表