トランスミッション | 722.9 (722.930 以外) モデル 205 |
トランスミッション・コントロールの機能前提条件の概要
• ターミナル 87 (切り換えられたターミナル 15) 「オン」
• フル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・ユニット (Y3/8n4) の機能点検が実施されている
トランスミッション・コントロールの概要
トランスミッション・コントロールはアクチュエータ (レギュレーティング・ソレノイド・バルブ) を電子制御します。 バルブはハイドロリック・バルブ・ボディ内にあります。 これはハイドロリック機能を実行する、フル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・コンポーネント (Y3/8) の構成部品です。
フル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・ユニットの機能は、主として、トランスミッションの機能に重要なさまざまなインプット・シグナルの評価です。 その評価に応じて、8 個の電気機械式ハイドロリック・バルブが制御され、これらのバルブはトランスミッション減速比 (ギヤ選択)、ワーキング・プレッシャおよびトルク・コンバータ・ロックアップを決定します。
機能順序のトランスミッション・コントロール
機能順序は以下の点で説明されます:
• 基本シフト・プログラムの機能順序
• エレクトロニックおよびハイドロリック・トランスミッション・コントロールの機能順序
• キックダウンの機能順序
• エマージェンシ・オペレーションの機能順序
基本シフト・プログラムの機能順序
基本シフト・プログラムには 7 速ギヤすべてのシフト・アップおよびシフト・ダウンの特性曲線が含まれ、以下を対象として設計されています:
• 空車
• 作動温度状態
• 平らな路面
• 海抜 0 m
基本シフト・プログラムを運転者は、センタ・コンソール付近に取り付けられているアジリティ・セレクト・スイッチ (N72/4s1) によって制御することができます。 このシグナルを、アンダ・オペレーティング・フィールド (N72/4) が読み取ります。
アンダ・オペレーティング・フィールドはボタンのステータスを、UBF LIN (LIN A3)、オーディオ / COMAND操作部 (A40/9)、テレマチック CAN (CAN A)、ヘッド・ユニット (A26/17)、ユーザ・インターフェース CAN (CAN HMI) を介してエレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット (N73) へ、および付属品 CAN (CAN PER) を介してドライブ・トレイン・コントロール・ユニット (N127) に送信します。 ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットはボタン・ステータスをドライブ CAN (CAN C1) 経由でフル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・ユニットに送信します。
シフト・プログラムの適合は、以下に応じてシフト特性曲線が移動することにより行われます:
• 車両の積載状態
• 走行抵抗の変化
• アクセル・ペダル・ストローク
フル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・ユニットがモニタし、以下に応じてシフトを行います:
• 車両スピード
• ギヤ・セレクタ・スイッチ・ポジション
• アクセル・ペダル・ポジション
• 走行プログラム選択
• ドライブ CAN バスのシグナル
ゆっくりとしたアクセル・ペダル解除:
• 高速範囲での予期しないシフト・ダウンを防ぎます。
急速なアクセル・ペダル解除:
• 次のギヤへのシフト・アップはいったん防止され、車両の加速度が低くなってから再び許容されるようになります。
エレクトロニックおよびハイドロリック・トランスミッション・コントロールの機能順序
エレクトロニック・トランスミッション・コントロールが、ギヤ選択および伝達するトルクへの圧力適合を受け持つのに対し、フル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・コンポーネントのハイドロリック・エレメントによって、トランスミッションの出力制御が行われます。 ハイドロ・ダイナミック・トルク・コンバータ、シフト・エレメントおよびハイドロリック・トランスミッション・コントロールなどのハイドロリック・エレメントへのオイル供給は、トルク・コンバータに接続されているオイル・ポンプ、または電動補助オイル・ポンプ (M42) を介して行われます。
トランスミッション・コントロールによって、シフト段階中に作動状態およびエンジン出力に対応した正確な圧力調整が可能となり、その結果、シフト性能が大きく向上しました。
「フル・スロットル」と「キックダウン」のときには、個々のギヤでスピードの限界値に達することが可能です。
トランスミッション・コントロールはシフト・ダウン・ロックによって、エンジン回転数が許容範囲を超えて高くなるのを防ぎます。 さらに、トランスミッション・コントロールは様々な車両 / エンジン仕様でフレキシブルに適合するメリットがあります。
電動補助オイル・ポンプは、エンジンの停止時にハイドロリック・システムへのオイル供給を行います。 さらにこのポンプは、暖機アイドリング中に惰走時シフト・ダウンが起きた場合、プライマリ・ポンプをサポートします。 この制御はトランスミッション・オイル補助オイル・ポンプ・コントロール・ユニット (N89) によって行われます。
キックダウンの機能順序
キックダウンの機能は、車両加速を最大にするという運転者の希望に応えます。
ペダル・ストローク 90 % 以上でキックダウン機能が作動します。
「キックダウン」シグナルは CDI コントロール・ユニット (N3/9) あるいは ME コントロール・ユニット (N3/10) が受信し、ドライブ CAN 経由でフル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・ユニットに送信します。
フル・インテグレート・トランスミッション・コントロール・ユニットはこのインフォメーションに基づき、レギュレーティング・ソレノイド・バルブを、最高走行出力を得るためにエンジン・スピード上昇時にシフト・アップおよびシフト・ダウンを行うように制御します。
エマージェンシ・オペレーションの機能順序
シグナルが妥当でない場合、トランスミッション・コントロール・システムは一部のみスタンバイ状態となり、プログラミングされているエマージェンシ・オペレーション特性マップに切り換わります。
ダイレクト・セレクト・レバー (S16/13) を使って運転者は、希望するギヤ・レンジ「P」、「R」、「N」または「D」にシフトすることができます。
運転者は前進および後進から選択、パーキング・ロックにシフト、あるいはニュートラル・ポジションでトルク・コンバータとトランスミッションの間の動力伝達を遮断することができます。
短時間 M プログラム
短時間 M プログラムは、ステアリング・ホイール・シフト・ボタンまたはダイレクト・セレクト・レバーを操作すると作動する一時的なプログラムです。 プラス方向 (+) への操作とマイナス方向 (-) への操作が許可されている場合、それぞれ操作するとシフト・アップとシフト・ダウンが行われます。 それ以外の場合は、現在のギヤが維持されます。 設定されたタイム・ウインドウにしたがい、この機能は再び自動的に作動解除されます。 横 G が検知された場合、または車両の惰走時に最低速度を下回ると (停止など)、作動時間が延長されることがあります。 上記の条件のいずれも行われていない場合は、M プログラムの規定の残存時間はまだ有効のままです。 この残存時間の終了後、再びアウトプット・シフト・プログラムにジャンプします。 さらに、運転者に対して推奨シフト・プロセスがインストルメント・クラスタ (A1) に表示されます。 これは同様に内蔵されているシフト推奨の構成要素です。 運転者はこの短時間 M プログラムを、特定の処置をとることによって、たとえばステアリング・ホイール・シフト・ボタン「シフト・アップ」またはダイレクト・セレクト・レバーを「プラス」方向に操作し続けるか、ギヤ・レンジを切り換えるか、あるいは走行プログラムを変更することによって、中断させることができます。 これらの前提条件が満たされると、再びアウトプット・シフト・プログラムに切り換わります。
参照文書
- gf2710p9992ahe オートマチックトランスミッション (AG) のシステム構成部品の一覧表