機能前提条件の概要
• 過電圧または電圧不足がないこと (作動電圧域 7 V 以上 17.5 V 以下)
ドライビング・ランプ・コントロールの概要
ドライビング・ランプ・コントロールには、走行中に路面を適切に照明するすべての機能が含まれています。
ドライビング・ランプ・コントロール中、ドキュメント「ポジション・ランプ / パーキング・ランプ・コントロールの機能」で説明されるポジション・ランプ・コントロールが作動しています。
ドライビング・ランプ・コントロールには、以下の部分機能があります:
• ロー・ビーム・コントロールの機能順序
• ハイ・ビーム・コントロールの機能順序
• デイ・ドライビング・ランプ・コントロールの機能順序
• オートマチック・ドライビング・ランプの機能順序
• オートマチック・ヘッドランプ光軸調整装置 (LWR) の機能順序
ドライビング・ランプ・コントロールは、エクステリア・ランプ・スイッチ (S1) のポジションに応じて実行されます。エクステリア・ランプ・スイッチのステータスをフロント・ヒューズ・リレー・モジュール付き SAM コントロール・ユニット (N10/1) が、モデル 207.3 (2010 年 5 月 31 日以前) の場合はインストルメント・パネル LIN (LIN 1) を介して、モデル 207.3 (2010 年 6 月 1 日以降)、モデル 207.4 の場合は直接 (電圧コード化された状態で) 読み取ります。
ロー・ビーム・コントロールの追加機能前提条件
• ターミナル 15 「オン」
ターミナル 15 のターミナル・ステータスは、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット (N73) により車内 CAN (CAN B) を介してフロント SAM コントロール・ユニットに送信されます。
ロー・ビーム・コントロールの機能順序
エクステリア・ランプ・スイッチをポジション「マニュアル・ドライビング・ランプ」に回すと、ロー・ビーム・コントロールが要求されます。
フロント SAM コントロール・ユニットは、エクステリア・ランプ・スイッチのステータスを読み取り、要求を電圧シグナルを介して左ヘッドランプ・ユニット (E1) の左キセノン光コントロール・ユニット (E1n1) および右ヘッドランプ・ユニット (E2) の右キセノン光コントロール・ユニット (E2n1) に直接出力します。 さらにこのコントロール・ユニットは、「ロー・ビーム・インジケータ・ランプ点灯」要求を車内 CAN を介してインストルメント・クラスタ (A1) に送信し、これがロー・ビーム・インジケータ・ランプ (A1e67) を制御します。
左キセノン光コントロール・ユニットは、内蔵型イグナイタ付き左キセノン・ランプ (E1e10) を制御します。右キセノン光コントロール・ユニットは、内蔵型イグナイタ付き右キセノン・ランプ (E2e10) を制御します。
ハイ・ビーム・コントロールの追加機能前提条件
• ハイ・ビーム機能用:ターミナル 15 およびロー・ビーム「オン」
• パッシング・ランプ機能用:ターミナル 15R 「オン」
エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニットは、ターミナル 15 のターミナル・ステータスを車内 CAN を介してフロント SAM コントロール・ユニットに送信します。
ハイ・ビーム・コントロールの機能順序
ハイ・ビーム・コントロールには以下のサブ機能があります。
• ハイ・ビームの機能順序
• パッシング・ランプの機能順序
ハイ・ビームの機能順序
コンビ・スイッチ (S4) を前方へ押すと、ハイ・ビーム・コントロールが要求されます。
ステアリング・コラム・チューブ・モジュール・コントロール・ユニット (N80) はコンビ・スイッチのスイッチ・ポジションを直接読み取り、これをシャーシ CAN (CAN E) を介してフロント SAM コントロール・ユニットに送信します。
フロント SAM コントロール・ユニットはコンビ・スイッチのスイッチ・ポジションを受信し、そこから「ハイ・ビーム・オン」要求を生成します。引き続き、フロント SAM コントロール・ユニットはコンビ・スイッチのスイッチ・ポジションをフロント・エンド CAN (CAN G) を介してキセノン光コントロール・ユニットに、および要求「ハイ・ビーム・インジケータ・ランプ・オン」を車内 CAN を介してインストルメント・クラスタに送信します。 これに基づきインストルメント・クラスタはハイ・ビーム・インジケータ・ランプ (A1e3) を制御します。左キセノン光コントロール・ユニットは、左配光切換えアクチュエータ (E1m3) を左ヘッドランプ LIN (LIN G1) を介して制御します。 右キセノン光コントロール・ユニットは、右配光切換えアクチュエータ (E2m3) を右ヘッドランプ LIN (LIN G2) を介して制御します。 キセノン・ランプのライト・コーンを部分的に覆っている円筒部が回転して外され、すべての光線が路面に照射されます。
パッシング・ランプの機能順序
パッシング・ランプ機能の機能順序およびシグナル・フローは、ハイ・ビーム機能の場合と同じです。
ただし、パッシング・ランプ機能を作動させるには、コンビ・スイッチを後方へ引かなければなりません。
コンビ・スイッチが長い間後方へ引かれると、ハイ・ビーム・コントロールは最長 30 秒間オンのままになります。その後、長い間出ている要求は「コンビ・スイッチが引っ掛かっている」と解釈されます。
パッシング・ランプ機能を実行するための個別のハイ・ビームは取り付けられてないため、ロー・ビーム・コントロールがオンになっていない場合にはキセノン・ランプを点灯する必要があります。
カナダ仕様 (コード 460) または米国仕様 (コード 494) の車両の場合、左フォグ・ランプ (E5/1) および右フォグ・ランプ (E5/2) の制御中はハイ・ビーム機能を実行することは許可されません。
そのとき入力されている要求にプライオリティがあります。
デイ・ドライビング・ランプ・コントロールの追加機能前提条件
• 「デイ・ドライビング・ランプ」機能:インストルメント・クラスタのメニュー「設定」、「ランプ」で作動 (カナダ仕様 (コード 460) 車両以外)
• シグナル「エンジン作動」または「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」の発信、あるいは車両スピードが 3 km/h 以上
• エクステリア・ランプ・スイッチのポジションが、エクステリア・ランプ・オフ「0」または「左パーキング・ランプ」または「右パーキング・ランプ」 (モデル 207.3、2010 年 5 月 31 日以前) (コード入力可能) またはオートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチ「A」
デイ・ドライビング・ランプ・コントロールの機能順序
インストルメント・クラスタは要求「デイ・ドライビング・ランプ・オン」を、国別コードまたはメニュー「設定」、「ランプ」での手動による作動により、車内 CAN を介して送信します。
CDI コントロール・ユニット (N3/9) (ディーゼル・エンジンの場合) または ME コントロール・ユニット (N3/10) (ガソリン・エンジンの場合) は、シグナル「エンジン作動」または「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」をシャーシ CAN を介して送信します。
インストルメント・クラスタは、車両スピードを車内 CAN に供給します。
フロント SAM コントロール・ユニットは、すべての重要なインフォメーションを読み取り、それらを評価し、日本仕様 (コード 498) 以外の車両では左デイ・ドライビング・ヘッドランプ (E1/3) および右デイ・ドライビング・ヘッドランプ (E2/3) を制御します。
日本仕様 (コード 498) の車両では、デイ・ドライビング・ヘッドランプが取り付けられていないため、デイ・ドライビング・ランプ機能の出力はロー・ビーム・コントロールによって行われます。
暗がりでは、フロント SAM コントロール・ユニットが出力を下げてデイ・ドライビング・ヘッドランプを制御し、さらにロー・ビーム・コントロールをオンにします。
周辺照度はレイン / ライト・センサ (B38/2) によって検知されます。フロント SAM コントロール・ユニットはレイン / ライト・センサのステータスをワイパ / ルーム・ミラー LIN (LIN 2) を介して読み取ります。
エクステリア・ランプ・スイッチのポジションを「ポジション・ランプ」、「手動ドライビング・ランプ」または「左パーキング・ランプ」または「右パーキング・ランプ」 (モデル 207.3 (2010 年 6 月 1 日以降)、モデル 207.4) に回すとデイ・ドライビング・ランプ・コントロールがオフになります。
カナダ仕様 (コード 460) の車両の場合、デイ・ドライビング・ランプは、停車状態で 3 分経過後に作動停止になります。車両が再び動き出すと、フロント SAM コントロール・ユニットがデイ・ドライビング・ランプを自動的に点灯します。
デイ・ドライビング・ランプはオートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチよりもプライオリティが高いです。
法的なデイ・ドライビング・ランプ規定のある国では、パッシング・ランプのみで、ハイ・ビームは許可されていません。ハイ・ビームが認められているのは、エクステリア・ランプ・スイッチによってドライビング・ランプを手動で点灯する場合のみです (カナダ仕様 (コード 460) 以外および米国仕様 (コード 494) 以外)。
オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチの追加機能前提条件
• シグナル「エンジン作動」または「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」の発信、あるいは車両スピードが 3 km/h 以上
• エクステリア・ランプ・スイッチのポジションが「A」または「0」 (モデル 207.3、2010 年 5 月 31 日以前) (コード入力可能)
オートマチック・ドライビング・ランプの機能順序
オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチの場合、ロー・ビームは自動的にオン / オフされます。
オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチは純粋なコンフォート・システムであり、運転者は道路交通法の定める車両操作規定を遵守しなくてはなりません。
CDI コントロール・ユニットまたは ME コントロール・ユニットは、シグナル「エンジン作動」または「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」をシャーシ CAN を介してフロント SAM コントロール・ユニットに送信します。
インストルメント・クラスタは、車両スピードを車内 CAN を介してフロント SAM コントロール・ユニットに送信します。
フロント SAM コントロール・ユニットは、エクステリア・ランプ・スイッチのステータスを読み取ります。
オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチがオン状態でのエクステリア・ランプの動作 | ||
走行開始時 | ポジション・ランプ | ロー・ビーム |
ターミナル 15C 「オフ」 | オフ | オフ |
ターミナル 15C 「オン」 | オフ | オフ |
ターミナル 15R 「オン」 | オン | オフ |
ターミナル 15 「オン」 | オン | オフ |
シグナル「エンジン作動」またはシグナル「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」の発信、あるいは車速が 3 km/h 以上 | オン | オン (ハイ・ビーム有効) |
走行終了 | ポジション・ランプ | ロー・ビーム |
シグナル「エンジン作動」またはシグナル「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」の発信、あるいは車速が 3 km/h 以上 | オン | オン (ハイ・ビーム有効) |
ターミナル 15 「オン」 | オン | オフ |
ターミナル 15R 「オン」 | オン | オフ |
ターミナル 15C 「オン」 (運転席ドア「閉」) | オン | オフ |
ターミナル 15C 「オン」 (運転席ドア「開」) | オフ | オフ |
ターミナル 15C 「オフ」 | オフ | オフ |
ロー・ビームは、周辺照度に応じてまたはワイパ・システムの作動状態に応じてオン / オフされます:
• レイン / ライト・センサを介したオートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチの機能順序
• ワイパ作動を介したオートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチの機能順序
レイン / ライト・センサを介したオートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチの機能順序
周辺照度はレイン / ライト・センサによって評価されます。フロント SAM コントロール・ユニットはレイン / ライト・センサのデータをワイパ / ルーム・ミラー LIN を介して読み取り、暗がりを検知するとロー・ビーム・コントロールを作動させます。
ワイパ作動を介したオートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチの機能順序
ワイパ・システムの作動によってロー・ビームがオンまたはオフにされる場合、これはワイパ / レイン / 悪天候により作動するランプです。
フロント SAM コントロール・ユニットはワイパ・システムを制御し、そのためにレイン / ライト・センサのデータあるいはワイパ要求をコンビ・スイッチを介して評価します。
6 秒未満のワイパ・サイクル時間で 20 秒以上ワイパ・システムが作動すると、フロント SAM コントロール・ユニットがロー・ビーム・コントロールをオンにします。ワイパ・サイクルが 60 秒以上停止したままの場合、ロー・ビーム・コントロールは作動解除されます。
レイン / ライト・センサが機能停止している場合、オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチはエンジンが停止してから作動解除されます。トンネル走行中およびワイパ連結稼働抑制機能が作動している場合、オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチはオン状態が続きます。
ワイパ連結稼動抑制機能を解除されると、オートマチック・ドライビング・ランプ・スイッチはさらに 60 秒間作動し続けます。
オートマチック LWR の追加機能前提条件
• シグナル「エンジン作動」または「ドライブ・トレイン、スタンバイ状態」が送信されている
• ヘッドランプ・オン (ロー / ハイ・ビーム)
オートマチック LWR の機能順序
オートマチック LWR は、積載量あるいは走行中に変化する車体の揺れに応じて、ヘッドランプ光軸を修正します。
CDI コントロール・ユニットまたは ME コントロール・ユニットは、シグナル発信「エンジン作動」または「ドライブ・トレイン・スタンバイ状態」をシャーシ CAN、フロント SAM コントロール・ユニットおよびフロント・エンド CAN を介して左キセノン光コントロール・ユニットおよび右キセノン光コントロール・ユニットに送信します。
アドバンスド・アジリティ・パッケージ (コード 483) 非装備車の場合、最新の車両レベルを特定するため、左リヤ・レベル・センサ (B22/7) および左フロント・レベル・センサ (B22/8) の電圧シグナルは左キセノン光コントロール・ユニットに直接読み取られます。
アドバンスド・アジリティ・パッケージ (コード 483) 装備車の場合、アダプティブ・ダンパ・レスポンス・システム・コントロール・ユニット (N51/5) が以下のセンサの電圧シグナルを読み取り、これをシャーシ CAN、フロント SAM コントロール・ユニットおよびフロント・エンド CAN を介して左キセノン光コントロール・ユニットに送信します:
• 左リヤ・レベル・センサ
• 左フロント・レベル・センサ
• 右フロント・レベル・センサ (B22/9)
• 右リヤ・レベル・センサ (B22/10)
シャーシの許容誤差を修正するために、製造ラインの最後でゼロ位置のプログラミングが実行されます。
無事にプログラミングされると、ヘッドランプが「センタ - 下 ‐ 上 - センタ」の順に動き、視覚的なフィードバックを行います。
一定の車両スピードの場合、オートマチック LWR は調整速度が遅い「スタティック・モード」で作動します。
車両が加速すると、「ダイナミック・モード」がオンになり、システムの反応時間が短くなります。車両スピードの変化およびブレーキ・ペダル・ポジションやアクセル・ペダル・ポジションなどの追加シグナルに応じて、「ダイナミック・モード」がオンになります。
車両が静止している場合、オートマチック LWR は「ダイナミック・モード」で作動します。
車両スピードのインジケータであるホイール・スピードのインフォメーションを、エレクトロニック・スタビリティ・プログラム・コントロール・ユニット (N30/4) (ディストロニック・プラス (コード 233) 非装備) またはプレミアム・エレクトロニック・スタビリティ・プログラム・コントロール・ユニット (N30/7) (ディストロニック・プラス (コード 233) の場合) がシャーシ CAN、フロント SAM コントロール・ユニットおよびフロント・エンド CAN を介してキセノン光コントロール・ユニットに送信します。
両方のキセノン光コントロール・ユニットは、これらのインフォメーションを受信し、フロント・エンド CAN を介して相互に通信します。
キセノン光コントロール・ユニットは、マスタとスレーブの組合せで作動し、その際、左キセノン光コントロール・ユニットはマスタとして機能し、右キセノン光コントロール・ユニットを同期します。
左キセノン光コントロール・ユニットは、左ヘッドランプ光軸調整アクチュエータ (E1m1) を左ヘッドランプ LIN を介して制御します。
右キセノン光コントロール・ユニットは、右ヘッドランプ光軸調整アクチュエータ (E2m1) を右ヘッドランプ LIN を介して制御します。
参照文書
- gf8210p9998ca エクステリア·ランプ·システム構成部品の一覧表
- gf8210p9998cam エクステリア·ランプ·システム構成部品の一覧表