ECO スタート・ストップ機能は、エンジン側と車両電源回路側に分かれています。
部分機能「エンジン・マネージメント・スタート・ストップ機能」は、エンジン・マネージメントの観点から考察されます。
部分機能「エネルギ・マネージメント・スタート・ストップ機能」に関するインフォメーションは、機能説明「エネルギ・マネージメント機能」に収録されています。
エンジン・マネージメント・スタート・ストップ機能の機能前提条件の概要
• エンジン作動
• 外気温度範囲 : – 10 °C ... 40 °C
• システム・ダイアグノシス終了および故障なし
• 前進走行で一回 8 km/h の車速制限超過
• 15 km/h の車速制限超過を超低速走行プロセス後の前進走行で一回
エンジン・マネージメント・スタート・ストップ機能の概要
車両が停止している状態では、スタート・ストップ機能はエンジンを自動的に停止し、運転者が発進を試みるとただちに再び始動させます。停車状態でエンジンをオフにすることにより、燃料消費量と排気ガス・エミッションが低下します。
リモコン・キー (A8/1) またはキーレス・ゴー・スタート・ストップ・ボタン (S2/3) (キーレス・ゴー (コード 889) 装備) での従来通りのエンジンの停止と始動も、引き続き可能です。
CDI コントロール・ユニット (N3/9) は常時システム・ダイアグノシスを実行し、ECO スタート・ストップ機能のシステム・ステータスを評価します。
ECO スタート・ストップ機能に関与するすべてのシステムは、常にそのステータスを点検し、これをシャーシ FlexRay (Flex E)、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニット (N127) またはドライブ CAN (CAN C1) 経由で CDI コントロール・ユニットに送信します。
機能前提条件が満たされると、スタート・ストップ機能のスタンバイ状態が「ECO」アイコンによってインストルメント・クラスタ (A1) に表示されます。
エンジン・マネージメント・スタート・ストップ機能の機能順序
ECO スタート・ストップ機能は、以下の部分機能で構成されています :
• 自動エンジン・ストップの機能順序
• 自動エンジン・スタートの機能順序
• エンジン強制スタートの機能順序 (システムによるスタート)
自動エンジン・ストップの機能順序
以下の機能前提条件がすべて満たされている場合、エンジンが CDI コントロール・ユニットによって作動停止します :
• 車両スピード 0 km/h (オートマチック・トランスミッションの場合)
• 水温 70 °C以上 (外気温度 -30 °C~ -10 °Cの場合)
• 水温 60 °C以上 (外気温度 -9 °C~ 14 °Cの場合)
• 水温 15 °C以上 (外気温度 15 °C~ 60 °Cの場合)
• 水温 110 °C未満
• エンジン・オイル温度 15 °C~ 120 °C
• エンジン回転数が基準値範囲内
• トランスミッション・オイル温度 10 °C~ 120 °C
• ギヤ・レンジ「D」または「N」(オートマチック・トランスミッションの場合)
• アクセル・ペダル操作せず
• 車両が停止するまでフット・ブレーキを操作
• 外気圧 725 mbar 以上
• BAS ブレーキ・ブースタ内の十分なバキューム (-1150 mbar ~ 130 mbar)
• エンジン・フードが閉じている
• クラッシュ・シグナルなし
• ステアリング・ホイール・アングル・スピードが基準値範囲内
• 車両電源回路の状態が正常
• 運転席ドアが閉じている
• 運転席シートベルトが着用されている
• 車内温度が制御されている
• フューエル・タンクの充填レベル 2 l 以上
• パティキュレート・フィルタ・システムがスタンバイしている
• スタート・ストップ関連のエンジン・ダイアグノシスまたは認識機能が作動していない
• 温度管理がファン・アフタ・ランニングを必要としていない
• 排気ガス後処理システムがスタンバイしている
• スタート・ストップ関連のエラーが保存されていない
• エマージェンシ・ブレーキをこれまでに行っていない
CDI コントロール・ユニットは、スタータ・ストップ機能のために、以下のセンサおよびシグナルを読み取ります :
• フューエル・タンク左燃料計充填レベル・センサ (B4/1)
• フューエル・タンク右燃料計充填レベル・センサ (B4/2)
• 水温センサ (B11/4)
• アクセル・ペダル・センサ (B37)、アクセル・ペダル操作
• フューエル温度センサ (B50)、フューエル温度
• クランクシャフト・スピード・センサ (B70)、エンジン回転数
• DPF 差圧センサ (B28/8)、パティキュレート・フィルタの飽和度
• インストルメント・クラスタ、ユーザ・インタフェース CAN (CAN-HMI)、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット (N73)、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で車両スピード
• 補助レストレイント・システム・コントロール・ユニット (N2/10)、ユーザ・インタフェース CAN、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびエンジン CAN (CAN C) 経由で間接クラッシュ・シグナル
• 運転席シートベルト・ステータス
フロント SAM コントロール・ユニット (N10/6)、車内 CAN (CAN B)、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で :
• エンジン・ストップ禁止
• エンジン・スタート要求
クライメート・コントロール・コントロール・ユニット (N22/1)、車内 CAN、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で :
• エアコン・ステータス
• エンジン・ストップ禁止
• エンジン・スタート要求
エレクトロニック・スタビリティ・プログラム・コントロール・ユニット (N30/4)、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で :
• ホイール・スピード
• ブレーキ操作
• エンジン・ストップ禁止
• エンジン・ストップ作動 OK
• エンジン・スタート要求
• エアマチック・コントロール・ユニット (N51/3) (ドライブ・ダイナミック・パッケージ 2.0 (ADS+ 付き) (コード 483) 装備、エアマチック (コード 489) 装備)
• エンジン・ストップ禁止
• エンジン・スタート要求
レーダ・センサ・コントロール・ユニット (N62/1) (ドライブ・アシスト・パッケージ (コード 23P) 装備)、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で :
• エンジン・トルク要求、上昇
• エンジン・トルク要求、低下
• ステアリング・ホイール・アングル・スピード
左フロント・ドア・コントロール・ユニット (N69/1)、車内 CAN、エレクトロニック・イグニッション・スイッチ・コントロール・ユニット、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で :
• エンジン・ストップ禁止
• 運転席ドアが閉じている
ステアリング・コラム・チューブ・モジュール・コントロール・ユニット (N80)、シャーシ FlexRay、ドライブ・トレイン・コントロール・ユニットおよびドライブ CAN 経由で :
• ステアリング・ホイール・アングル
• フューエル・ポンプ・コントロール・ユニット (N118)、ドライブ CAN 経由でフューエル・プレッシャ
• 完全一体型トランスミッション・コントロール・ユニット (Y3/8n4)、ドライブ CAN 経由でシフトされているギヤ・レンジ
自動エンジン・ストップが実行された後、車速限度 8 km/h を上回らない自動エンジン・ストップが最大 3 回許可されます。
4 回目のエンジン・スタートの後は、再度エンジン・ストップするには 8 km/h のスピードを上回ることが必要です。
自動エンジン・ストップ時にエンジン・フードを開けると、ECO スタート・ストップ機能が作動停止し、インストルメント・クラスタ内のすべてのアイコンが点灯します。エンジンは、リモコン・キーまたはキーレス・ゴー・スタート・ストップ・ボタン (キーレス・ゴー (コード 889) 装備) で新たに始動させる必要があります。
自動エンジン・スタートの機能順序
ブレーキ解除あるいはアクセル・ペダル操作の場合は、エンジンが自動的にスタートします。
CDI コントロール・ユニットは、リレー (ターミナル 50、スタータ) (K40/8kH) をグラウンド・シグナルにより制御します。リレーのパワー・コンタクトは閉じ、スタータ (M1) のソレノイド・スイッチは「ターミナル 50」で「ターミナル 30」から電圧供給されます。
ドライブ CAN 経由でフューエル・ポンプ・コントロール・ユニットは CAN シグナル「燃料基準圧力」を CDI コントロール・ユニットから受信し、これにしたがいフューエル・ポンプ (M3) をパルス幅変調シグナルで制御します。
エンジン強制スタートの機能順序 (システムによるスタート)
保護機能として、部分機能「エンジン強制スタート」が使用できます。この機能では、以下の機能前提条件のいずれかが満たされていると、エンジンが自動的に (運転者のアクションなしで) CDI コントロール・ユニットにより強制スタートします :
• 車両電源回路の状態がエンジン作動を要求
• 水温が 125 °C以上
• 最大 3 分間のエンジン・ストップ時間を超えている
• エアコンがエンジン作動を要求 (例 : ウインドウがくもる)
• BAS ブレーキ・ブースタのバキュームが基準範囲外 (-1150 mbar ~ 130 mbar)
• 運転席着席検知
• 車両スピード 10 km/h 以上 (前進走行の場合) および 4 km/h 以上 (後退の場合)
• 以下のシステムのシステム・エラーまたはコミュニケーション・エラー : 運転席着座、ステアリング、バッテリ電圧、ブレーキおよびマネージメント・システム、アクセル・ペダル、トランスミッション、スタータ、エンジン、シャーシ
リバース・ギヤにシフトすると超低速走行プロセスが検知され、ECO スタート・ストップ機能が作動解除されます。エンジンがエンジン・ストップ状態にあるとシステムによるスタートが行われ、エンジン作動時にはエンジン・ストップが作動しないようになります。ECO スタート・ストップ機能は引き続き、前進ギヤにシフトしたとき、および車両スピードが 15 km/h を超えたときに再び作動します。
運転席ドアが開く、運転席のシートベルト・バックルが開く、または ECO スタート・ストップ機能がオフになる場合も、エンジンはスタートします。
参照文書
- gf0716p9997orb コモン·レール·ディーゼル·インジェクション (CDI) システム構成部品の一覧表