過給器の機能前提条件概要
• ターミナル87M オン
• エンジン作動
過給器の概要
過給器により、シリンダ充填効率が改善されます。それによって、エンジントルクと出力が上昇します。
増加されたエアマスに対応した燃料の量はMEコントロールユニット (N3/34) により測定されます。
過給の際、排気ガス (B) の流体エネルギはターボチャージャ (50) 駆動に利用されます。
ターボチャージャ (50) はコンプレッサエアインレットのエアフィルタを介して外気 (A) を吸入し、これをコンプレッサエアアウトレットを介してインタークーラへのブーストエアパイプ (110/2) に送ります。
コンプレッサホイールの回転数が上がり、空気の流量が増加することでインタークーラへのブーストエアパイプ (110/2) 内の空気が圧縮されます。このときの最大ブーストプレッシャは、エンジンバリエーションに応じて約0.8 ~ 1.2 barです。
コンプレッサエアアウトレットのノイズインシュレータ (50/3) がブーストプレッシャの変動と、それによって急激な回転数変化時に発生する流音を抑制します。
圧縮されたブーストエア (C) はインタークーラ (110/3) へ、インタークーラへのブーストエアパイプ(110/2) を貫流します。これは圧縮によって加熱されたブーストエア (C) によって冷却され、インタークーラ後のブーストエアパイプ (110/4) 経由でスロットルバルブへ、その後ブーストエアディストリビュータパイプ (12) へ送られます。
過給器の構造 |
12 | ブーストエアディストリビュータパイプ |
50 | ターボチャージャ |
50/1 | ブーストプレッシャコントロールフラップ |
50/2 | ブーストプレッシャコントロールフラップバキュームアクチュエータ |
50/3 | ノイズインシュレータ |
50/4 | エグゾーストマニホールド |
110/1 | インテークライン |
110/2 | インタークーラへのブーストエアパイプ |
110/3 | インタークーラ |
110/4 | インタークーラ後ろのブーストエアパイプ |
B5/13 | スロットルバルブ前のプレッシャセンサ |
B17 | ブーストエア温度センサ(スロットルバルブの前) |
B17/16 | ブーストエア温度センサ(スロットルバルブの後) |
B18/8 | プレッシャセンサ(エアフィルタの後) |
B28/24 | インテークマニホールドプレッシャセンサ |
M16/50 | スロットルバルブアクチュエータ |
Y101 | バイパスエアスイッチオーババルブ |
A | 吸気 |
B | 排気ガス |
C | ブーストエア(冷却前) |
D | ブーストエア(冷却後) |
S09.00-4508-76
過給器の機能順序
機能順序は以下のサブ機能に分けられます:
• ブーストプレッシャコントロールの機能順序
• バイパスエアの機能順序
ブーストプレッシャコントロールの機能順序
ブーストプレッシャコントロールは、エレクトロニューマチック方式でブーストプレッシャコントロールプレッシャトランスデューサ (Y77/10) によって行われます。
ブーストプレッシャコントロールプレッシャトランスデューサは、特性マップと負荷に応じて、MEコントロールユニット (N3/34) によってブーストプレッシャコントロールのために制御されます。
そのために MEコントロールユニット (N3/34) は以下のセンサおよびエンジンマネジメントの機能を評価します :
• プレッシャセンサ(エアフィルタの後) (B18/8)
• ブーストエア温度センサ(スロットルバルブの前) (B17)
• ブーストエア温度センサ(スロットルバルブの後) (B17/16)
• プレッシャセンサ(スロットルバルブの前) (B5/13)
• インテークマニホールドプレッシャセンサ (B28/24)
• アクセルペダルモジュール (B374)
• クランクシャフトホールセンサ (B70/2)
• ノックコントロール、トランスミッション過負荷保護、過熱保護
全負荷モードでは、最大のブーストプレッシャが形成されます。
ブーストプレッシャを低下させるために、ターボチャージャタービン駆動用の排気ガス (B) はブーストプレッシャコントロールフラップ (50/1) 開によって、バイパス経由で送られます。
ブーストプレッシャコントロールプレッシャトランスデューサ (Y77/10) はそのためにブーストプレッシャコントロールフラップバキュームアクチュエータ (50/2) をブーストエアディストリビュータパイプ (12) のバキュームタンクからのブーストプレッシャで制御します。これに応じてブーストプレッシャコントロールフラップバキュームアクチュエータ (50/2) はバイパスを閉じているブーストプレッシャコントロールフラップ (50/1) をリンケージによって開きます。
ブーストプレッシャコントロールフラップ (50/1) によって排気ガス (B) はタービンホイールを通り、これによってブーストプレッシャが制御され、タービン回転数が制限されます。
これによりエンジンバリエーションに応じて、最高0.8 ~ 1.2 barのブーストプレッシャを現在のエンジンの負荷要求に適合させることができます。
現在のブーストプレッシャをモニタするために、プレッシャセンサ(スロットルバルブの前)(B5/13) は電圧シグナルをMEコントロールユニット (N3/34) に伝送します。
ターボチャージャ (50) 前のインテークライン (110/1) に取り付けられているプレッシャセンサ(スロットルバルブの前) (B5/13) はスーパーチャージャのモニタのために MEコントロールユニット (N3/34) に利用されます。
ブーストエア温度はブーストエアディストリビュータパイプ (12) 内でブーストエア温度センサ(スロットルバルブの後) (B17/16) によって検出され、電圧シグナルの形で MEコントロールユニット (N3/34) に伝送されます。
バイパスエアの機能順序
ターボチャージャ (50) は減速開始後、シャフト、コンプレッサおよびタービンホイールの質量慣性によってさらに少し回転します。
スロットルバルブが素早く閉じると、そのためにブーストプレッシャの波がターボチャージャ (50) へ戻ります。このブーストプレッシャの波は、コンプレッサホイールで吐出容量が低く、プレッシャレシオが高いという状態を引き起こし、ターボチャージャポンピングにつながります(短時間のうなり音と機械的な応力)。
バイパスエアスイッチオーババルブ (Y101) の開弁によって、バイパス経由でターボチャージャ (50) のインテーク側へ急激な圧力減少によるこの事象を防止します。
図はバイパスエアスイッチオーババルブ付ターボチャージャ (50)Y101 |
1 | コンプレッサ |
2 | タービン |
3 | スロットルバルブへ |
4 | エンジンから |
Y101 | バイパスエアスイッチオーババルブ |
A | 吸気 |
B | 排気ガス |
P09.40-2418-82
エンジンの負荷モードでは、ブーストプレッシャがかけられたダイヤフラムにより、バイパスが閉じた状態で維持されます。
エンジンが停止している場合、ダイヤフラムはバイパスエアスイッチオーババルブ (Y101) に内蔵されているスプリングによってシールシートの中に押されます。
MEコントロールユニット (N3/34) は実測値ポテンショメータ 1 (M16/50r1) および実測値ポテンショメータ 2 (M16/50r2) によってスロットルバルブが閉じ、そのため惰走モードになったことを検知すると、バイパスエアスイッチオーババルブ (Y101) を制御します。
その際、ダイヤフラムはスプリング力とブーストプレッシャに対抗して引き上げられ、インテーク側のバイパスを開きます。これにより、余剰ブーストプレッシャは減少します。
エンジンが惰走モードから負荷モードへと変化すると、バイパスエアスイッチオーババルブ (Y101) はそれ以上制御されません。
スプリングはダイヤフラムをシールシートの方向へ押します。そこでダイヤフラムは強力なブーストプレッシャによってシールシートへ引っ張られるため、バイパスは再び閉じます。
バイパスエアスイッチオーババルブ断面図 (Y101) |
50 | ターボチャージャ |
50/2 | ブーストプレッシャコントロールフラップバキュームアクチュエータ |
50/3 | ノイズインシュレータ |
Y101 | バイパスエアスイッチオーババルブ |
E | 閉じた状態 |
F | 開いた状態 |
S09.00-A011-76
参照文書
- gf0770s9998trj 直接噴射型ガソリン·インジェクションおよびイグニッション·システムのシステム構成部品の一覧